ミカエルへの道 Ⅸ ~ミカエルへの道~
2017年11月29日 - ミカエル訪問2017年秋「ミカエルへの道」 最新情報 講座ブログ 高島 なゆみ
ミカエルにお金を払わせないのは、結構テクニックがいる。
例えば、食事に行った時。例えば、スーパーに買い物に行った時。
何かにつけて払いたがりで、沢山買いたがりだ。朝食やランチを一緒に買いに出ようものなら、
そんなに食べられない、と言っているのに、沢山の物を買い込む。
私達も5度目の訪問ともなると、そこら辺は心得てきて、ミカエルの希望を聞いて買いに出る
という手段を取るようになった。「いいよ、あそこね、買って来るから。」という具合に。
ま、それを一手に引き受けてくれるのは、頼もしい相棒優貴ちゃんだが。
彼女はもうこの街に何年も住んでいるように、街のことに精通している。
しかし、一緒に食事に出た時には、そういうわけにはいかない。食事が終わりに近づくと、私は結構緊張する。
なんとかスムーズに支払いを終えたいからだ。案の定、もう支払ったと言うと、ミカエルはごねた。
「僕が払おうと思ってたのに。」
「いいのよ、私が払いたいのよ。」
「何故?」
「もちろん私はお金があるから、多分あなたより。」
最近はこのセリフを使っている。なんとなくそういうとミカエルは、納得する。
まさか本当に私がリッチだと思っているわけではないだろうが、
そこまで言うなら、という感じで、お財布をポケットにしまう。
今回も、もちろんその作戦を屈指した。
「いいの、私お金があるから。」と言うと、ミカエルが必ず
「なゆみはリッチだ。なぜなら心がリッチだから。」と応じる。
そう言われると、返す言葉がなく、自分をちょっと恥じる。
そういえば、ミカエルは私に初めて会った時から、
「なゆみのハートは大きいね~。」と良く言っていた。
私はその言葉を、ほめ言葉と受け取り、ちょっと幸せな気分になっていた。
そうなんだ、私のハートは大きいんだ、ミカエルがそう言ってくれるんだから、そうなんだ。
と愚かにもニコニコとその言葉を受け取っていた。
ミカエルに初めて会った時から、6年の歳月が流れている。
私は今回初めて、ミカエルに「なゆみがリッチなのは、心がリッチだからだよ。」と言われて、
恥ずかしいという気持ちが湧いた。そんなわけない。と自分を全否定した。
自分のあらゆる部分での至らなさが、突然自分に襲い掛かり、
なんというか穴があったら入りたい、という気分になった。
人は褒めて育てろと言うセリフを良く聞く。
できない事を数えて注意するより、できたところをまず褒めよう、という事だと、ずっと思っていた。
私も、それなりにその方法を使う時もあるが、うまくいくこともあれば、相手を有頂天にさせるだけで、
返って困った結果に陥ることもあり、そのテクニックは結構難しいと、内心思っていた。
ミカエルが私に言い続けてくれた
「なゆみは心が広いから、大きなハート、温かで豊かなハート」は、
私にそういう人間になりなさいという思いだったのだ。
今のあなたに欠けているのは、ここだよね、ということを、指摘するという形ではなく、
褒めるという形で示唆してくれていたのだ。人を褒めて育てるというのは、そういう事なのだ。
愚かな自分は、そんなことに気づくまでに6年も歳月が必要だった。
ミカエルは全く成長しない私を、いつも温かく迎え入れてくれて、
必ず気づくときが来ると信じて伝え続けてくれたんだ。
「僕はいつでも人間が善であると信じている。今盲目であったとしても、
必ず目を開き大切なことに気づく時がくると信じている。人が自分に必要なことに気づくためには、
罰則や、非難の言葉ではなく、愛が必要なんだよ、与え続ける愛が必要なんだ。」
ミカエルへの道は遠い。