ちょっと養生~季節の養生 長夏~を終えて
頑強な両親が高齢になり、体のバランスを崩し始めたことを機会に、
日々の生活の中で取り入れられる体の養生を、真剣に考えることが多くなった。
特に高齢になると、好き嫌いもはっきりし、また肉体的な制限も強くなるので、
バリエーションをたくさん持っていることが、必要だと気づいた。
体を動かした方がいいと言われても、体を動かせない状態のこともあるし、
痛みを抱えていて、ついつい億劫になることもある。
これが体にいい食べ物といわれても、内臓の状態によっては毒になることもあるし、
硬い物、繊維が多い物などは、噛みきれない、消化できない、という状態の時もある。
食欲が落ちる時もあれば、執拗に同じものを食べたがる時もあるし、
気温調整がうまくいかず、暑かったり寒かったりで周りを振り回す時もある。
顔色も日々違うし、水虫がでたり、爪が割れたり、湿疹が出たり、ささやかな空気感の変化に敏感に反応する。
そういう時に、専門医に診て頂くという選択肢はもちろん大切だが、
同時に食や、空気感を調整する、気を足す、気を流す、気でバランスを整える、アロマオイルを使う、
などして、薬だけではない多彩なサポートは、本人を落ち着かせる働きもする。
健康に対する情報が溢れすぎている中で、今の本人になるべくストレスを掛けず、サポートするには、
知識は持てるだけ持っておいた方がいい。食がダメでもサプリがある、サプリがダメでもお茶がある、
お茶がダメでもオイルがある、オイルがダメでもマッサージがある、マッサージがダメでも呼吸法がある、
呼吸法がダメでも気を流せる、と引き出しがたくさんあると、なんとか活路を見い出せる。
ちょっと今日は顔色が悪くて浮腫みも出てるな~と思う時は、
「今日は一日このお茶にしてね。」とか、
「今日はご飯の後、このオイルを手首に付けてね。」とか、
「ここが痛いな~と思ったら、痛みが外に出るようなイメージで、呼吸をしてね。」とか、
日々のちょっとしたことで、なるべく負担なくできることを、やってもらえるようにアドバイスすると、
そこそこちゃんとやったりする。
ちょっとした状態を見逃さずに、さり気ないアドバイスが出来ると、
医者に行きたくないから隠してた、我慢してた、ということが少なくなり、
結構こまめに「あのね、最近ここがちょっと。」と言ってくれる。
それは自分に対しても同じことで、ささやかな自分の変化をなんとなく認識していることは、
大切なことだと思っている。そしてちょっとあれ?と思った時に、
無理のない範囲で気をつけると、なんとかダウンしないで持ち直す。
この講座は、そういう日常をサポートすることを目的にしている。
ちょっとでも知識があれば、自分の状態を自分で把握しようと努める心が育っていく。
その心が育つことが大切だ。今回で季節の養生Ⅰは、全て終了。
全5回を通して「季節の空気感は、体に影響を与え、その影響をいかにバランスよく調整するかが、
健康な肉体を維持するためには必要なこと。」という理解をしていただけていたら嬉しく思う。
東洋医学の基礎知識では、陰陽と五行についての基本の基本に触れているが、
細かいことを暗記する必要はないので、そういう概念が存在しているということを、
記憶に留めておいていただけたら十分だ。
次の課題~気血水の養生~に進む前に、季節の養生の総復習を行いたい。
ここがポイント!を抑えるので、是非お時間のある方はご参加ください。
◆ちょっと養生~季節の養生 総集編~(2018.3.11開催)
http://holisticnaturaltherapy.com/special2/