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ミカエルへの道 Ⅳ ~クルミっこ~

2017年11月28日 - ミカエル訪問2017年秋「ミカエルへの道」 最新情報 講座ブログ 高島 なゆみ

ミカエルへの今回のお土産は、ケンゾーの赤ワイン「ai」、クルミっこ、
いつもの松崎煎餅、宮地推薦の田の歩と、全て消え物で揃えた。
中でもミカエルが大好きなクルミが入っているクルミっこは、自信があった。

 

これは好きだろうな~。ミカエルはお土産を、いつでもとっても注意深く観察する。
包装紙や、紐、お菓子に入っているしおりなどを、丁寧に見て感謝する。
なんて丁寧に包んであるんだろう。この紙は綺麗だね、
紅葉したもみじに飾られた美しい包み紙を愛おしそうに撫でる。
「ジャパニーズメイプルよ。」と言うと、「とっても繊細だ。」と呟く。

全ての箱を丁寧に開けて、やっぱり最初に手を出したのはクルミっこだった。

 

はい、と私に手渡す。
「これ、ミカエルへのお土産よ。」「一緒に食べよう。」
一つとっては腰塚、千住さんとメンバーに手渡し、自分の分を取ると箱をしめる。

 

そしておもむろに口に運ぶ。

 

「おいしい~。」

 

天才的な耳を持っているミカエルは、日本語の音を拾うのもとっても上手だ。

 

「でしょ、好きだと思った。」

 

と私が言うと、「思った。」とオウムのように繰り返して、上機嫌だ。
食べ終わってしまうと、もう一つ食べたい!という目をして私たちの動向を伺う。
誰もまだクルミっこを口にしていないと分かると、「食べないの?」と言いながら、
ちょっと困った顔をする。

 

「ミカエル、これは全部あなたのよ。あなたが全部食べていいんだから、もう一つどうぞ。」

 

と言うと、やっと安心して、もう一つ口にする。

 

「これ、美味しい。」

 

それからそっと蓋を開けて、クルミっこの数とメンバーの数を数える。
まるで子供がやるように指さしで数を数えて、後一人幾つ食べられるか確認している。
私が小声で呟く。「優貴ちゃんのこと忘れないで。」
デトロイトからまだ到着していない優貴ちゃんのことを、思い出させた。
ミカエルはちょっと固まる。そして「アウ…。」と不思議な声を上げた。

 

「ミカエル、冗談よ。全部食べていいって。優貴はそんなことで怒らないわよ。」

 

ミカエルはじっと私を見る。私は席を立ってミカエルから箱を取りあげ、

 

「ね、ミカエル。こうやって、クルミっこの箱を、他のお菓子の下にしておきましょうよ。
他の人には、ほら、こんなに違うお菓子があるんだから、それをあげましょう。
どれもとっても美味しいんだから。そしてこれは、貴方が一人で食べればいいじゃない。
一番気に入ったんでしょ。」

 

ミカエルは私の手元をじっとみている。ミカエルの手をポンポンと軽くたたいて、「大丈夫よ」と言うと、
「ナユミがそういうなら、大丈夫だね。僕は幸せを独り占めしたくないんだ。」とまじめな顔をして言う。

 

「クルミっこは確かに美味しいお菓子だけれど、
他のお菓子でもみんな充分幸せになれるから、心配しないで。」

 

ともう一度念を押し、持ってきたナチュラルストロベリーチョコレートを私は一つ口に入れた。

 

「ほら、これもとっても美味しい。幸せだわ。同じものを食べてなくても幸せは分かち合えるのよ。」
と言うと、ミカエルは慌ててチョコをほおばり、「でも同じものを食べれるのも幸せだよ。」と笑った。

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